



🔰今回はSGLT2阻害薬「ジャディアンス錠」の紹介です!
今回の4コマでは、「心腎代謝連関」の概念と、ジャディアンスの包括的な効果、そして脱水予防の服薬指導を楽しく学べる内容に仕上げました。
糖尿病治療薬として知られるジャディアンスですが、実はそれだけにとどまらない“3臓器にうれしい効果”を持っています。
基本情報
効能又は効果
〈ジャディアンス錠10mg・25mg〉2型糖尿病
〈ジャディアンス錠10mg〉慢性心不全 ただし慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。
慢性腎臓病 ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。
用法用量
〈2型糖尿病〉通常、成人にはエンパグリフロジンとして10mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら25mg1日1回に増量することができる。
〈慢性心不全、慢性腎臓病〉通常、成人にはエンパグリフロジンとして10mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡の患者
重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者
💡心腎代謝連関とは?
**心臓・腎臓・代謝(主に糖代謝)**の3つは密接に影響し合う関係にあります。
これを「心腎代謝連関(cardio-renal-metabolic linkage)」と呼びます。
たとえば、
- 糖尿病があると腎機能が低下しやすい
- 腎機能が低下すると心不全のリスクが上がる
- 心不全になると代謝系にも影響が出る
といった具合に、“一つの不調が他を巻き込む”悪循環が起こるのが特徴です。
🦸♂️ジャディアンスのヒーロー的な作用とは?
ジャディアンスはSGLT2阻害薬として、血糖を尿から排出して下げる作用がメインですが、近年の研究で次のような多面的効果が明らかになっています:
- ✅ 血糖降下作用(代謝サポート)
- ✅ 心不全の入院リスク低減(心臓を守る)
- ✅ 腎機能悪化の抑制(腎臓を守る)
- ✅ 血圧の軽度低下、体重減少
つまり、糖尿病薬でありながら、心不全・CKDへの保護効果まで持つ数少ない薬なのです。
💊服薬は「1日1回朝」、簡単です!
服薬方法はとてもシンプル:
- 1日1回、朝に服用(食前・食後は問わない)
- 腎機能や脱水に注意しながら継続使用
「1日1回で3臓器を守る」
…なんて言っても過言ではない頼れる薬剤ですね!
🧂実務で重要!脱水予防の服薬指導ポイント
SGLT2阻害薬は尿中に糖を出すため、軽い利尿作用が出ることがあります。
特に服用開始初期や夏場、また高齢者では脱水に要注意です。
そこで服薬指導時は、以下のようなメッセージを意識しましょう:
タイミング | 指導内容 |
---|---|
飲み始め | 「喉が渇いていなくても水分をとりましょう!」 |
継続中 | 「喉が渇いたらすぐに補給を!」 |
高齢者 | 「“こまめに”水分をとる習慣をつけましょう!」 |
ちょっとした声かけで、めまいやふらつきといった副作用を防げることもあります。
🔎漫画に入りきらなかった豆知識
- ジャディアンス服用中は尿糖陽性になります(=効いてる証拠)
- 糖を出す=カロリーを失うため、体重減少効果もあり
- 低血糖リスクは単独では低いが、SU剤やインスリン併用では注意
- 1型糖尿病、透析中、重度感染症などでは禁忌なので処方監査も要チェック!
📝まとめ
ジャディアンスは、
「糖尿病治療」+「心臓」+「腎臓」
の3つをまとめて守ってくれる、まさに“心腎代謝連関時代のヒーロー薬”です。
そしてその効果を活かすためには、
水分補給のタイミングをはじめとした丁寧な服薬指導が不可欠です。
今回の4コマを、患者さんへの説明やスタッフ教育にもぜひご活用ください!
⚠️免責事項
本記事は、一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断や治療を推奨するものではありません。
記事中で取り上げている薬剤情報は、信頼できる資料に基づいて正確に記載していますが、
漫画内の会話やエピソードはフィクションであり、実際の医療現場の状況とは異なる場合があります。
実際の診療にあたっては、必ず医師や薬剤師等の専門家にご相談いただき、最新の添付文書等をご確認ください。
本記事の内容に基づく自己判断による治療や投薬等によって生じた損害について、当サイトは一切の責任を負いかねます。
コメント