ヒルドイドの剤形使い分けを解説!150gポンプ追加で在庫どうする?

お薬小ネタ漫画

今回は**ヒルドイドローション0.3%の新包装「150gポンプボトル」**をテーマに、薬局あるある視点の4コマ漫画をご紹介しました。

ヒルドイドシリーズの多彩な剤形展開に加え、新たな大容量ボトルが登場!
…でも、現場の薬剤師としては「在庫どこ置こう…」というリアルな声も?
処方箋対応やジェネリックとの違いも含めて、今回は実務目線でこの製品のポイントを整理します。


📌ヒルドイドローション0.3%(マルホ)150gポンプボトルとは?

  • 2025年6月発売の新包装
  • ポンプ式ボトルで「1プッシュ=約1g(約2FTU)」の塗布が可能
  • サトウキビ由来のバイオマスプラスチック容器を採用
     → CO₂排出量 約70%削減(従来容器比)

📋基本情報(※2025年6月時点の添付文書に基づく)

成分:1g中 ヘパリン類似物質 3.0mg

適応:血栓性静脈炎(痔核を含む)、血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結並びに疼痛)、
   凍瘡、肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防、進行性指掌角皮症、皮脂欠乏症、
   外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎、筋性斜頸(乳児期)

用法用量:〈クリーム、ソフト軟膏〉
      通常、1日1~数回適量を患部に塗擦又はガーゼ等にのばて貼付する。
     〈ローション、フォーム〉
      通常、1日1~数回適量を患部に塗布する。
禁忌:出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病等)の患者
   僅少な出血でも重大な結果を来すことが予想される患者


💡150gボトルの利点と、ちょっとした悩み

✔ 患者さんには便利!

  • 広範囲に使う方にとって、1本で済むのは嬉しい
  • 毎回同じ量を出せるポンプ式は塗布量の指導にも◎
  • 容器が大きめなので置き場所が安定し、在宅や高齢者にも扱いやすい

✔ でも薬局では…

  • 在庫スペース問題:ソフト軟膏、クリーム、フォーム、ローション、
             さらに各規格の用量違いとジェネリック…。
  • 入力や調剤の煩雑さ:処方医によって「50g×3」か「150g×1」かまちまち。
  • ジェネリック未対応:150gは2025年6月時点でマルホの先発品のみ。
     →「後発希望」と記載されていても、GEがないため変更できない状況が発生。

🧴製剤ごとの使い分け再確認

剤形特徴・使いやすさ
ソフト軟膏保湿力最強。乾燥肌・冬場に◎
クリーム年中使いやすい。ややベタつきあり
ローション液状で広範囲に伸ばしやすい。夏場に◎
フォームローションよりさらに伸びがよい

今回の150gは、**ローションを毎日広範囲に使う患者さんにとって“ありそうでなかった選択肢”**として登場した、という位置づけですね。


💬薬剤師から処方医への伝え方の工夫

  • 「150gで1本にまとめられます」と提案できる
     (50g×3→150g×1)
  • 逆に「後発を希望されるなら50g×3でお願いします」と情報提供も

📝実務ポイントの補足メモ

  • **1プッシュ=約1g(2FTU)**が目安
     → 手のひら4枚分くらいの広さに塗布可能
  • ポンプ式に慣れない患者には、押し方も含めて説明すると安心

💡ヒルドイドローションは冷蔵庫で保管していいの?

ヒルドイドローションは、室温(1~30℃)での保存が基本です。

ただし、2024年7月に処方変更がありました。その前後で、低温保存時の安定性に違いがあります。


【旧処方品】冷蔵庫保管はNG!

  • 添加物(パラオキシ安息香酸エステル)の結晶析出が報告されています。
  • 低温や振とう、水分蒸発などが影響。
  • 冬場は、室内でも暖かい場所に保管しましょう。

【処方変更品(2024年7月~)】冷蔵庫でもOK?

  • 処方変更により、低温下での結晶析出が少なくなるよう改善されています。
  • ただし、冷気が強すぎる場所(1℃未満)での保管は避けましょう
  • 推奨は室温保存、冷蔵する場合は冷気が直接当たらない場所を選んで。

🧴薬剤師からのひとこと

ヒルドイドローションの処方変更により、保管の幅は広がりましたが、特に患者さんに渡す際は
「冷蔵庫に入れないほうが安全です」と伝えておくと安心ですね。


🧴ジェネリックの選択肢も進化中!

これまでヒルドイドローションのジェネリックは、「サラッとした化粧水タイプ」が主流でしたが、
2024年6月にはニットーから“乳液タイプ”のジェネリックも登場しました。
これにより、**「使用感は先発品に近く、それでいて後発品」**という選択肢が増えたことになります。

なお、ヒルドイドは選定療養の対象となっており、患者さんの自己負担が大きくなるケースもあります。

そのため薬局では、処方医と連携しつつ、
患者さんの希望や使用感に合った剤形・メーカーを選択できる体制が大切です。
「ベタつきが苦手」「しっとりタイプがいい」「ジェネリック希望」など、
日常的な聞き取りを通して、より満足度の高い提案ができるようにしたいですね。

✨今回のまとめ

  • ヒルドイドローション150gボトルは患者にとって便利な新選択肢
  • ただし薬局側では在庫・調剤・GE対応などで悩みもあり
  • 今後、ジェネリックでも150gボトルが出ることに期待!


免責事項(※必ず掲載)

本記事は、一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断や治療を推奨するものではありません。
記事中で取り上げている薬剤情報は、信頼できる資料に基づいて正確に記載していますが、
漫画内の会話やエピソードはフィクションであり、実際の医療現場の状況とは異なる場合があります。
実際の診療にあたっては、必ず医師や薬剤師等の専門家にご相談いただき、最新の添付文書等をご確認ください。
本記事の内容に基づく自己判断による治療や投薬等によって生じた損害について、当サイトは一切の責任を負いかねます。

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