コロナの患者さん増えてきましたね。
定点観測が先月より4倍との報告を聞き、当薬局でも処方が増えています。
パキロビッドパックといえば相互作用チェックがとても、とても面倒ですが、AIを使って一発で確認できたので共有したいと思います。
※生成AIは間違えた答えを返すことがあります。AIはサポートであり、くれぐれも最終判断は薬剤師の眼で行ってください。
パキロビットパックについての詳細は過去記事を参照してください。
パキロビットパックとの相互作用チェック
国立健康危機管理研究機構様よりパキロビットパックのとの併用に慎重になるべき薬剤リストというものが公開されています。
こちらをチャットGPTに読み込ませて、判定してもらいたいと思います。
アカウントをお持ちで基本的な使い方をご存じの方は③から読んでください。
① ChatGPTアカウントを作成しよう
- 公式サイトにアクセス:https://chat.openai.com
- 「Sign up(サインアップ)」をクリック
- メールアドレスまたはGoogle/Appleアカウントで登録
- SMS認証(電話番号入力→届いたコードを入力)
- 表示名を設定して完了!
✅ 無料プラン(GPT-3.5)でも使用可能です。
② ChatGPTの基本的な使い方
ログイン後は、中央の入力欄に質問や命令を入力するだけ!
例:
「アセトアミノフェンの小児用量を教えて」
AIが即座に回答してくれます。まるで薬局のバックヤードにいる相棒のよう!
③ 併用禁忌のPDFを貼る方法
ネットから検索もしてくれるのですが、生成AIがネット検索した結果には揺らぎが多いです。
今回は正確に情報をチェックするため参照元データを張り付けましょう。
国立健康危機管理研究機構様よりパキロビッドパックのとの併用に慎重になるべき薬剤リストをダウンロード、こちらのPDFファイルをチャットGPTに添付します。
チャットGPTの画面「質問してみましょう」の左下にある「+」マークで添付できます。
ChatGPT Plus(有料)を使っている場合、PDFファイルをそのままチャットにドラッグ&ドロップで貼り付け可能です。
アップロード後に「このPDFに基づいて確認してね」と伝えることで、資料を参照しながら回答してくれます。
④ パキロビッドパック併用チェック用プロンプト(コピペして使ってOK)
以下の文をそのままChatGPTに貼り付けて使ってください👇
▼プロンプト:
あなたは調剤薬局の、処方監査支援AIです。薬局薬剤師が添付の表をもとにパキロビッドパックの併用注意と併用禁忌について判断する支援を行います。
患者の使用中の薬剤を入力した後、その薬剤に対して禁忌、併用可能だが減量、記載なしなどを返してください。
例
入力:カルブロック、エリキュース、タケキャブ
出力:カルブロック→禁忌
エリキュース(心房細動)
・1回5mgで使用→1回2.5mg減量し併用可
・1回2.5mgで使用→1回2.5mgで継続可
(PE/DVT)
・高リスク:低分子ヘパリンに変更
・低リスク:アスピリンに切り換え
→パキロビッドの最終投与から3日後に常用量へ
タケキャブ→記載なし
上記の例のように、「▼服用薬剤一覧」の部分に患者さんの服薬リストを入力するだけです!
⑤使ってみよう
準備ができたところで、実際に使ってみましょう。
「アテレック、クラリス、オングリザ」と入力してみると以下のように返ってきます。
以下が、入力された薬剤に対するパキロビッドパックとの併用判定です:
アテレック → 記載なし
※成分名:シルニジピン
・2023年9月25日版のリストに未掲載
クラリス → 用量調整すれば併用可
※成分名:クラリスロマイシン
Ccr 60mL/min以上:減量不要
Ccr 30~60mL/min:クラリスロマイシンを50%減量
クラリスロマイシン用量が1g/日以上の場合:パキロビッド投与不可
➡ パキロビッド最終投与から3日後に常用量へ
オングリザ → 用量調整すれば併用可
※成分名:サキサグリプチン
1回5mgで使用 ⇒ 1回2.5mgに減量し併用可
➡ パキロビッド最終投与から3日後に通常量へ
こんなふうに、調べる手間なしで一発で一覧が出てきます!
結果を印刷して病院にFAXすると医師にもわかりやすいと思います!
※間違った答えが返ってきていないかはきちんと目視で確認してください。
✨まとめ:ChatGPTを併用チェックに活かそう
パキロビッドパックは強いCYP3A阻害作用があるため、併用禁忌や注意薬が非常に多いのが実情。
処方元に確認を取る前に、まずはAIにサッとチェックしてもらうという手段は、現場での時短にも有効です。
要注意!!
生成AIは間違えることがあります。最終確認は必ず医療従事者本人の目線で行ってください。
本記事は、一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断や治療を推奨するものではありません。
実際の診療にあたっては、必ず医師や薬剤師等の専門家にご相談いただき、最新の添付文書等をご確認ください。
本記事の内容に基づく自己判断による治療や投薬等によって生じた損害について、当サイトは一切の責任を負いかねます。
コメント