



2025年9月不眠症治療薬「ボルズィ錠」の情報が解禁されました。発売は11月頃?になりそうとのこと。
現時点で確認できたことをまとめます。
名前からして眠そうなこの薬、資料を読み込んでいた新人くんが、**「絶食10時間試験!?」**とびっくり。
今回はそんな“実務的に気になるポイント”に焦点を当てて解説していきます。
ボルズィ錠の基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
一般名 | ボルノレキサント(vornorexant) |
適応症 | 不眠症 |
分類 | オレキシン受容体拮抗薬(DORA) |
剤形・規格 | 錠剤:2.5mg/5mg/10mg |
用法用量 | 就寝直前に1日1回5mgより開始。必要に応じ10mgまで増量可(上限10mg) |
禁忌 | 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者 イトラコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、クラリスロマイシン、リトナビル含有製剤、エンシトレルビル フマル酸、コビシスタット含有製剤、セリチニブを投与中の患者 |
漫画の補足ポイント
「絶食10時間時の試験」って本当に必要?
新人くんが驚いていた「10時間絶食時での薬物動態試験」は、あくまで効果発現のピーク(Cmax)を見るための評価条件。
実際の服薬指導においては「寝る直前に飲む」でOKであり、そんなに絶食して寝る必要はありません!
ただし、高脂肪食の直後に服用すると吸収が遅れることは確認されているため、
夜食直後の服用は避けるよう指導しましょう。
実務上のポイントまとめ
- 短時間作用型で半減期は約2時間。翌朝スッキリ型のオレキシン受容体拮抗薬です。
- 「寝る前に飲んで、すぐ寝る」が基本。飲んだ後に活動してはいけません。
- CYP3A阻害薬との併用禁忌が多めなので、必ず併用薬チェックを!
- 禁忌:クラリスロマイシン、ゾコーバ(エンシトレルビル)など
- 注意:エリスロマイシン、ベラパミル、フルコナゾールなど(用量調整必要)
- 高齢者や肝機能低下患者では、必要に応じて2.5mgから開始。
漫画に盛り込めなかった小ネタ
- 商品名「ボルズィ」は「Vornorexant + 寝息の“Zzz”」が由来。
名前だけで眠たくなりそうなネーミングです。 - 他のDORA(スボレキサント、レンボレキサント、ダリドレキサント)より圧倒的に短い半減期。
朝まで薬が残りにくく、日中の眠気リスク軽減が期待されます。
結びの一言
ボルズィは今後「眠れないけど朝スッキリ起きたい」という患者さんの選択肢になりそうです!
また発売が近くなったら新たな情報を紹介したいと思います。
免責事項
本記事は、一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断や治療を推奨するものではありません。
記事中で取り上げている薬剤情報は、信頼できる資料に基づいて正確に記載していますが、
漫画内の会話やエピソードはフィクションであり、実際の医療現場の状況とは異なる場合があります。
実際の診療にあたっては、必ず医師や薬剤師等の専門家にご相談いただき、最新の添付文書等をご確認ください。
本記事の内容に基づく自己判断による治療や投薬等によって生じた損害について、当サイトは一切の責任を負いかねます。
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