



2025年6月16日にベピオウォッシュゲル5%が新発売ですね!新剤形のメリットも多いのでぜひ生かしていきたいです。基本情報から確認しましょう。
ベピオウォッシュゲル5%の基本情報
適応
- 適応症: 尋常性ざ瘡(ニキビ)
用法・用量
- 使用方法: 1日1回、洗顔後に適量を患部に塗布し、5~10分間放置後に水又はぬるま湯で洗い流す
- 対象年齢: 9歳以上
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
ニキビのでき方と過酸化ベンゾイルの作用機序
ニキビができるメカニズム
ニキビ(尋常性ざ瘡)は以下のプロセスで発症します:
- 皮脂分泌の増加 – ホルモンの影響で皮脂腺の活動が活発化
- 毛穴の閉塞 – 古い角質により毛穴が塞がれる
- アクネ菌の増殖 – 毛穴内でアクネ菌が繁殖
- 炎症の発生 – 菌の増殖により炎症が起こり、赤ニキビへ進行
過酸化ベンゾイルの作用機序
過酸化ベンゾイルは以下の2つの主要な作用でニキビを改善します:
1. 抗菌作用
アクネ菌の細胞膜構造を酸化により障害し、菌を構成する物質を酸化させることで強い抗菌作用を発揮します。通常の抗生剤とは異なる作用機序のため、耐性菌を生じにくいという特徴があります。
2. 角質剥離作用(ピーリング作用)
角質細胞同士の結合を弛めて角層剥離を促進し、毛穴の詰まり(角栓)を改善します。これにより皮脂や菌が毛穴から排出されやすくなります。
ベピオ製剤の比較表
項目 | ベピオゲル2.5% | ベピオローション2.5% | ベピオウォッシュゲル5% |
---|---|---|---|
発売時期 | 2015年4月 | 2023年5月 | 2025年6月 |
過酸化ベンゾイル濃度 | 2.5% | 2.5% | 5% |
剤形 | ゲル(塗布薬) | ローション(塗布薬) | ウォッシュゲル(洗い流し) |
使用方法 | 1日1回塗布 | 1日1回塗布 | 1日1回、5~10分間放置後洗い流し |
適用年齢 | 12歳以上 | 12歳以上 | 9歳以上 |
保存条件 | 25℃以下保存 | 25℃以下保存 | 室温(1~30℃)保存 |
特徴 | 標準的なゲル剤 | 広範囲塗布に適している | 脱色リスクが低い |
メリット | 使いやすさ | 伸びが良い、乾燥軽減 | 体幹部使用しやすい 皮膚刺激低減 |
ベピオウォッシュゲルの特徴とメリット
1. 脱色の心配がない
従来のベピオゲル・ローションは漂白作用があるため、衣服や寝具への付着に注意が必要でした。ウォッシュゲルは洗い流すため、この問題を解決しています。
2. より低年齢から使用可能
従来製剤が12歳以上だったのに対し、ウォッシュゲルは9歳から使用できます。
3. 保存条件が緩和
25℃以下保存から室温(1~30℃)保存に変更され、冷蔵庫保存の必要性が減りました。
4. 体幹部への使用がしやすい
背中や胸部のニキビ治療において、衣服への影響を心配せずに使用できます。
5. 高濃度で適度な接触時間
5%の高濃度でありながら、5~10分間の適度な接触時間により効果と忍容性のバランスを取っています。
服薬指導のポイント
使用方法の説明
- 洗顔後、患部に適量を塗布
- 5~10分間そのまま放置
- 水またはぬるま湯でしっかり洗い流す
注意事項
- 目や唇、小鼻は避ける
- 顔全体に塗布するのはまだ見えない面皰による再発を防ぐため
- 刺激感が強い場合は使用を中止し医師に相談
- 洗顔料ではないため泡立ちません
患者さんへのアドバイス
- 「高級パジャマも安心」というのは冗談ですが、実際に衣服への影響を心配されている患者さんには大きなメリットです
- 体幹部のニキビ治療の選択肢が広がりました
- 9歳から使用できるため、小学生のニキビ治療にも対応可能です
まとめ
ベピオウォッシュゲル5%の登場により、過酸化ベンゾイル製剤の選択肢が大幅に広がりました。特に体幹部のニキビ治療や、従来製剤で脱色が問題となっていた患者さんには朗報といえるでしょう。
薬剤師として、患者さんのライフスタイルや治療部位に応じて、最適なベピオ製剤を提案していきたいですね。
※本記事は2025年6月の情報に基づいています。最新の添付文書や製品情報もご確認ください。
📎 免責事項
本記事は、一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断や治療を推奨するものではありません。
記事中で取り上げている薬剤情報は、信頼できる資料に基づいて正確に記載していますが、漫画内の会話やエピソードはフィクションであり、実際の医療現場の状況とは異なる場合があります。
実際の診療にあたっては、必ず医師や薬剤師等の専門家にご相談いただき、最新の添付文書等をご確認ください。
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