



クレナフィン爪外用液10% ~爪白癬治療の新たな選択肢~
今回の4コマ漫画では、爪白癬治療薬クレナフィンの服薬指導シーンを描きました。患者さんの「1年以上?!」という驚きから始まり、薬剤師の丁寧な説明、そして最後の価格への反応まで、実際の現場でよくある光景ですね。
クレナフィン爪外用液10%の基本情報
一般名:エフィナコナゾール
効能・効果:爪白癬
用法・用量:1日1回、患部に塗布
禁忌:本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
用量の目安と特徴
クレナフィンの大きな特徴は、従来の外用薬とは異なる浸透性にあります。爪10枚に塗布する場合、1本(4mL、3.56g)で約1週間分となります。これは、エフィナコナゾールがケラチンに対して低親和性を示すため、爪の奥深くまでよく浸透するからです。
従来の抗真菌薬は爪に浸透しにくく、爪は苦戦の治療は内服が主流でした。しかし、クレナフィンは高い抗真菌活性と浸透性により、効率的に真菌に作用できるのです。
内服の抗真菌薬では、肝機能障害のリスクが課題でした。クレナフィンは外用薬のため、肝機能に問題のある患者さんでも安心して使用できます。定期的な血液検査も不要で、患者さんの負担も軽減されます。
爪白癬について知っておきたいこと
爪白癬は単なる見た目の問題ではありません。確かに爪の変色や肥厚といった外観上の変化が主な症状ですが、実は転倒リスクの増加という深刻な問題も抱えています。
爪が厚くなったり変形したりすることで、歩行時のバランスが悪くなり、特に高齢者では転倒による骨折のリスクが高まります。また、爪白癬は家族内感染の原因にもなるため、積極的な治療が重要です。
製品開の豆知識
クレナフィンのハケ(アプリケーター)は、実は文具メーカーのペンテルとの共同開発によるものです。ペンテルの筆ペン技術を応用し、薬液を均一に塗布できる専用のハケが開発されました。この技術により、爪の縁や溝まで確実に薬剤を塗布することができます。
治療期間と費用
爪白癬の治療は長期戦です。爪の成長速度を考えると、完全に健康な爪に生え変わるまでには約1年以上かかることが多く、患者さんが驚かれるのも無理はありません。
また、クレナフィンは薬価が高く、患者さんの経済的負担も大きな課題となっています。しかし、2024年2月にはエフィナコナゾール爪外用液10%「科研」が承認され、2025年9月ごろ発売が予定されており、治療選択肢の幅が広がることが期待されます。
※2025.4薬価で6895円/1本3.56g
まとめ
クレナフィンは爪白癬治療において画期的な外用薬です。優れた浸透性と安全性を兼ね備え、多くの患者さんにとって有用な選択肢となっています。ジェネリック発売により、さらに多くの患者さんが治療を受けやすくなることを期待しています。
服薬指導の際は、治療期間の長さや正しい塗布方法について、患者さんに丁寧に説明することが重要ですね。
免責事項
本記事は、一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断や治療を推奨するものではありません。
記事中で取り上げている薬剤情報は、信頼できる資料に基づいて正確に記載していますが、
漫画内の会話やエピソードはフィクションであり、実際の医療現場の状況とは異なる場合があります。
実際の診療にあたっては、必ず医師や薬剤師等の専門家にご相談いただき、最新の添付文書等をご確認ください。本記事の内容に基づく自己判断による治療や投薬等によって生じた損害について、当サイトは一切の責任を負いかねます。
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