可逆的なエクフィナ

お薬小ネタ漫画

今回は、パーキンソン病の治療に使われる「エクフィナ錠(サフィナミド)」をテーマにした4コマ漫画をご紹介します。

舞台は調剤室。
新人薬剤師がふと「アジレクトとエクフィナって何が違うんだろう…」と疑問を口にします。
そこへカロが登場して「エクフィナは“可逆的”MAO-B阻害なんだよ」と解説。
新人は思わず「じゃあ、いつでも別れられるタイプ!?」と恋愛トークにすり替えてしまいますが、
カロは「不可逆の子は…しばらく引きずるからね〜」と、絶妙なフォローを入れてくれました。


基本情報

項目内容
一般名サフィナミドメシル酸塩
販売名エクフィナ錠(50mg/100mg)
適応症パーキンソン病(レボドパ含有製剤と併用)
効能・効果レボドパ含有製剤で十分な効果が得られない患者の「運動合併症(ウェアリングオフなど)」の改善
用法・用量通常、1日1回50mgより開始。必要に応じ100mgまで増量可。
半減期約22時間(1日1回投与が可能)

禁忌
・他のMAO阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩)を投与中の患者
・ペチジン塩酸塩含有製剤、トラマドール塩酸塩含有製剤又はタペンタドール塩酸塩を投与中の患者
・三環系抗うつ剤(アミトリプチリン塩酸塩、アモキサピン、イミプラミン塩酸塩、クロミプラミン塩酸塩、ドスレピン塩酸塩、トリミプラミンマレイン酸塩、ノルトリプチリン塩酸塩、ロフェプラミン塩酸塩)、四環系抗うつ剤(マプロチリン塩酸塩、ミアンセリン塩酸塩、セチプチリンマレイン酸塩)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(フルボキサミンマレイン酸塩、パロキセチン塩酸塩水和物、セルトラリン塩酸塩、エスシタロプラムシュウ酸塩)、セロトニン再取り込み阻害・セロトニン受容体調節薬(ボルチオキセチン臭化水素酸塩)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(ミルナシプラン塩酸塩、デュロキセチン塩酸塩、ベンラファキシン塩酸塩)、選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(アトモキセチン塩酸塩)又はノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ剤(ミルタザピン)、フェンフルラミン塩酸塩、中枢神経刺激剤(メチルフェニデート塩酸塩、リスデキサンフェタミンメシル酸塩、メタンフェタミン塩酸塩)、マジンドール、トラマゾリン塩酸塩、塩酸テトラヒドロゾリン・プレドニゾロン、ナファゾリン硝酸塩、アプラクロニジン塩酸塩を投与中の患者
・ 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者
・ 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性

エクフィナ添付文書より


漫画の補足:可逆的MAO-B阻害って?

「MAO-B阻害薬」という分類は、ラサギリン(アジレクト)やセレギリン(エフピー)なども同じですが、エクフィナは“可逆的”にMAO-Bを阻害するのが大きな違いです。

不可逆的阻害薬では酵素の活性が回復するのに数週間かかるのに対し、可逆的であれば比較的速やかに作用が切れるため、治療の中断や変更が柔軟に行えます。
また、ドパミン作動系の副作用をやや抑えやすいという実感を持つ薬剤師も多いようです。
ただし、アジレクトやエフピーと違い保険適応が認められているのはレボドパと併用のみです。


実務上の注意点と関連薬剤との違い

  • グルタミン酸放出抑制作用あり:ドパミン系以外にもアプローチできるため、非ドパミン症状にもやや効果を発揮する可能性がある点がユニークです。
  • SSRI・SNRIとの併用注意:セロトニン症候群のリスクがゼロではないため、精神科系薬剤との併用には注意喚起が必要です。
  • チラミン制限は不要:食品との相互作用が少ないため、患者への生活指導の負担も軽めです。

おわりに

「アジレクトとエクフィナ、何が違うの?」という薬剤師あるあるな疑問を、今回は4コマ漫画で表現してみました。

エクフィナ(サフィナミド)=“可逆的”MAO-B阻害+非ドパミン作用の二刀流
というポイント、ぜひ日々の服薬指導に活かしてくださいね。

次回も、実務に役立つ“くすっと笑える”薬学漫画をお楽しみに!


免責事項

本記事は、一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断や治療を推奨するものではありません。
記事中で取り上げている薬剤情報は、信頼できる資料に基づいて正確に記載していますが、漫画内の会話やエピソードはフィクションであり、実際の医療現場の状況とは異なる場合があります。
実際の診療にあたっては、必ず医師や薬剤師等の専門家にご相談いただき、最新の添付文書等をご確認ください。
本記事の内容に基づく自己判断による治療や投薬等によって生じた損害について、当サイトは一切の責任を負いかねます。

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