モイゼルト軟膏とコレクチム軟膏の作用機序は?

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🧴 モイゼルトとコレクチム、どっちがどっち?ステロイド外用薬との使い分けまとめ

こんにちは、薬剤師のカロです。​今回は、アトピー性皮膚炎の治療に用いられる外用薬、モイゼルト軟膏とコレクチム軟膏について、ステロイド外用薬との違いや使い分けのポイントをまとめました。​患者さんへの説明時に役立つ情報を整理していますので、ぜひご活用ください。​



💊 モイゼルト軟膏の基本情報

  • 一般名:​ジファミラスト
  • 適応症:​アトピー性皮膚炎
  • 用法・用量
    • 成人:1%製剤を1日2回、適量を患部に塗布
    • 小児:0.3%製剤を1日2回、適量を患部に塗布。症状に応じて1%製剤に変更可
  • 禁忌:​本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者​

※塗布する面積は皮疹面積0.1㎡あたり1gを目安とすること。
 (0.1㎡は体の部位で表すには個人差が大きいけれど腕1本分弱ぐらいになります)


💊 コレクチム軟膏の基本情報

  • 一般名:​デルゴシチニブ
  • 適応症:​アトピー性皮膚炎
  • 用法・用量
    • 成人:0.5%製剤を1日2回、適量を患部に塗布(1回あたりの塗布量は5gまで)
    • 小児:0.25%製剤を1日2回、適量を患部に塗布。症状に応じて0.5%製剤に変更可(1回あたりの塗布量は5gまで)
  • 禁忌:​本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

※1回あたりの塗布量は体表面積の30%までを目安とすること。
 (体表面積​の30%は約片腕と片足を合計した面積になります。)

🔍 ステロイド外用薬と非ステロイド外用薬の違い

項目ステロイド外用薬モイゼルト軟膏コレクチム軟膏
作用機序炎症反応全体を抑制PDE4阻害によるcAMP上昇、炎症性サイトカイン産生抑制JAK-STAT経路阻害による炎症性サイトカイン伝達抑制
効果の範囲幅広く強力特定の炎症経路を選択的に抑制特定の炎症経路を選択的に抑制
副作用皮膚萎縮、毛細血管拡張、ステロイドざ瘡など(長期使用でリスク増)比較的副作用が少ないが、長期使用時の安全性には注意比較的副作用が少ないが、長期使用時の安全性には注意
使用対象急性増悪時、重症例軽症〜中等症の維持療法軽症〜中等症の維持療法
年齢制限強さにより制限あり(小児使用注意)生後3ヶ月以上で使用可能6ヶ月未満の乳児には使用経験なし

🗣️ 患者さんへの説明のポイント

ステロイド外用薬は、炎症を迅速に抑える効果があり、適切に使用すれば安全性も高い薬剤です。​一方、モイゼルト軟膏やコレクチム軟膏は、特定の炎症経路を選択的に抑制することで、軽症〜中等症のアトピー性皮膚炎の維持療法に適しています。​患者さんには、「症状に応じて適切な薬剤を選択し、使い分けることが大切です」と伝えることで、ステロイドに対する過度な不安を和らげることができます。​


✨ まとめ

  • ステロイド外用薬は、急性増悪時や重症例に有効で、適切な使用で安全性も高い。
  • モイゼルト軟膏とコレクチム軟膏は、特定の炎症経路を選択的に抑制し、軽症〜中等症の維持療法に適している。
  • 患者さんには、薬剤の特性を理解し、症状に応じた使い分けの重要性を伝えることが大切。​

今後も、患者さんに安心して治療を受けていただけるよう、薬剤師として適切な情報提供を心がけていきましょう。​

  • 本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断や治療を推奨するものではありません。実際の診療にあたっては、必ず医師や薬剤師等の専門家にご相談いただき、最新の添付文書等をご確認ください。
  • 本記事の内容に基づく自己判断による治療や投薬等によって生じた損害について、当サイトは一切の責任を負いかねます。

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