オゼンピックはいつ打つの?

お薬小ネタ漫画

今回は**GLP-1受容体作動薬「オゼンピック皮下注」**についてのエピソードです。
4コマでは、打つ日を忘れてしまった患者さんが、なぜか「がっつりの月曜日」と名付けて覚えようとする微笑ましい(?)場面を描きました。

患者さんとのやりとりの中で、笑いを交えつつ大切なポイントをおさらいできる内容となっています。


💊 基本情報のおさらい(オゼンピック皮下注)

  • 成分名:セマグルチド(Semaglutide)
  • 適応症:2型糖尿病
  • 用法・用量
     - 通常、0.25mgから開始し、4週後に0.5mgに増量
     - 必要に応じて最大1.0mgまで調整
     - 週1回、同じ曜日に皮下注射する
  • 禁忌:本剤の成分に対する過敏症、妊娠または妊娠の可能性のある女性 など
    (※詳細は添付文書・IFをご確認ください)

🩺 漫画の補足:打ち忘れ対応

添付文書では、**「打ち忘れた場合は、次の投与まで48時間以上空いているならできるだけ早く投与してよい」**と明記されています。
一方で、48時間以内の場合は、その週の投与をスキップし、次の予定日に再開することが推奨されています。

今回の漫画でも、

「48時間以上空いているので今すぐ打って大丈夫ですよ」
というセリフで、実務の対応をわかりやすく描いています。


💡 実務ポイントと現場Tips

  • 患者の生活リズムに合わせて「曜日」を固定することで、忘れにくくなります
     例:「月曜朝はオゼンピック」「日曜夜に冷蔵庫チェック」など
  • “打ち忘れカレンダー”やリマインダー活用を提案すると定着しやすい
  • 他の週1製剤(例:トルリシティ、マンジャロ)と混同しないよう説明を工夫する
  • 2mgペン型:1本に2mgの薬剤が入っており、週1回0.25mg投与なら8回、0.5mg投与なら4回、1.0mg投与なら2回分使えます。 針は使い捨てで、その都度自分で交換が必要です。

※以前使い切りタイプ(SD)がありましたが販売中止になりましたね。


🔍 漫画に盛り込めなかったミニ知識

  • 0.25mgは維持用量ではない:導入初期の“慣らし”であり、基本的に0.5mg以上への増量が必要です
  • 胃腸症状に注意:GLP-1作動薬に共通して、吐き気・食欲低下などが起こる可能性があるため、特に導入時は予告しておくと安心

日本で承認されているGLP-1受容体作動薬まとめ

💊 基本情報一覧

製品名成分名適応症用法・用量特徴
ビクトーザ®リラグルチド2型糖尿病1日1回皮下注、0.3mg開始→0.9㎎(1.8㎎最高)– 1日1回型- 長時間作用型
トルリシティ®デュラグルチド2型糖尿病週1回皮下注、0.75mg(最大1.5mg)
※忘れた場合は72時間以上空いていれば直ちに投与
– 週1回型- 簡単自己注射
リキスミア®リキシセナチド2型糖尿病1日1回皮下注、10μg開始→20μg(最大)– 食直前型- 食後高血糖に強い
バイエッタ®エキセナチド2型糖尿病1日2回皮下注、5μg開始→最大10μg– 食直前型- 食後高血糖抑制
オゼンピック®セマグルチド2型糖尿病週1回皮下注、0.25mg開始→最大1.0mg(維持)– 週1回型- 長時間作用型
ウゴービ®セマグルチド肥満症週1回皮下注、0.25mg開始→最大2.4mg– 肥満症治療用- 週1回型

※ビデュリオン®(エキセナチド徐放製剤)は日本国内では販売終了のため削除しました。
※GLP-1作動薬はDPP-4阻害薬と作用が重複するため一般的には併用することはありません。DPP4から切り替えるつもりが、削除が漏れて重複していた処方例に出会ったことがあるので皆様もお気を付けください。

✏️ 最後にまとめ

  • GLP-1製剤は、打つタイミングや作用特性が薬剤ごとに異なる
  • 患者さんの**ライフスタイルや目標(体重重視・食後血糖重視など)**によって選択
  • 初期導入時は吐き気などの副作用をしっかり説明し、安心感を持ってもらうことが大切
  • 2型糖尿病だけでなく、**肥満症治療(ウゴービ®)**という新たな領域でも活躍が広がっている!


✏️ 最後にひとこと

「がっつりの月曜日」というインパクトのある覚え方が、意外と患者さんの記憶に残ることもあります(笑)。
薬剤師としては、ユーモアと確実な情報提供のバランスをうまく活用していきたいですね。

次回も、ちょっと笑えて役に立つ薬学4コマをお楽しみに!
リクエストも大歓迎です♪

  • 本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断や治療を推奨するものではありません。実際の診療にあたっては、必ず医師や薬剤師等の専門家にご相談いただき、最新の添付文書等をご確認ください。
  • 記事中で取り上げている薬剤情報は信頼できる情報に基づいて正確に記載していますが、漫画内の会話やエピソードはフィクションであり、実際の医療現場の状況とは異なります。
  • 本記事の内容に基づく自己判断による治療や投薬等によって生じた損害について、当サイトは一切の責任を負いかねます。

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