



クービビック錠紹介!自然な眠りをサポートする新しい選択肢
今回は【クービビック錠】についてご紹介します!
漫画では、カロが「自然な眠り」をサポートする新しい睡眠薬として患者さんに説明していましたね。
朝スッキリ目覚める患者さんの様子には思わずクスッとしました!
クービビック(ダリドレキサント)基本情報まとめ
- 適応症
不眠症 - 用法・用量
通常、成人にはダリドレキサントとして25mgまたは50mgを就寝直前に経口投与します。
※空腹時投与が推奨されます(脂肪を含む食事の後だと吸収が低下するため)。 - 禁忌
- 重度の肝機能障害のある患者
- 強力なCYP3A阻害薬(例:イトラコナゾール、クラリスロマイシン、ボリコナゾール、ポサコナゾール、リトナビル含有製剤、コビシスタット含有製剤、セリチニブ、エンシトレビル)との併用
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴
漫画のポイント補足解説
自然な眠りに近づける作用
クービビックはオレキシン受容体拮抗薬で、脳の覚醒を抑えることで自然な睡眠リズムに近い眠りを促します。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬と異なり、直接的に脳を鎮静するのではないのが特徴です。
※なお、ベンゾジアゼピン系睡眠薬が悪いというわけではありません。
漫画の表現により誤解を生んでしまったら大変申し訳ございません。
体質や症状によってはベンゾジアゼピン系のほうが適している場合もあり、
どちらを選ぶかは医師の判断に従うことが重要です。
X(旧ツイッター)ではより不特定多数の型の目に留まり誤解を生む可能性があるためこのコマを削除しました。
持ち越しリスクが少ない
半減期は約6.6時間。
翌朝への眠気やふらつきといった「持ち越し効果」が少なく、日中の活動を維持しやすいのがメリットです。
今回の4コマでは、患者さんが元気に目覚めすぎる様子が描かれていましたね。
実務上の注意点と追加小ネタ
- 他のオレキシン受容体拮抗薬(ベルソムラ、デエビゴ)との違い
薬剤名 作用機序 半減期 特徴 注意事項 その他 ベルソムラ(スボレキサント) デュアル・オレキシン受容体拮抗薬(OX1R/OX2R遮断) 約10時間 世界初のオレキシン遮断薬。自然な睡眠に近い。 クラリスが併用禁忌 習慣性医薬品。睡眠構造への影響が少ない デエビゴ(レンボレキサント) デュアル・オレキシン受容体拮抗薬(OX2R親和性高) 約50時間 睡眠維持効果に優れる。ベルソムラより長時間型 重度肝機能障害に禁忌 習慣性医薬品。持ち越し作用に注意 クービビック(ダリドレキサント) デュアル・オレキシン受容体拮抗薬(OX1R/OX2R遮断) 約6.6時間 自然な眠りを促し、持ち越しリスクが少ない 重度肝機能障害に禁忌 クラリスが併用禁忌 習慣性医薬品。依存性は低いとされる ロゼレム(ラメルテオン) メラトニン受容体(MT1/MT2)作動薬 約1時間 非習慣性で安全性高い。入眠困難に有効 フルボキサミン併用禁忌、重度肝機能障害に禁忌 長期使用可。概日リズム調整に有効 ベンゾジアゼピン系(例:レンドルミン) GABA-A受容体のBZD部位に結合し作用増強 抗不安・筋弛緩作用あり。即効性あり 向精神薬指定。習慣性・反跳性不眠あり 非ベンゾジアゼピン系(例:マイスリー) GABA-A受容体BZD部位に選択的結合(α1サブユニット) BZDより筋弛緩作用弱く、入眠効果に優れる 習慣性あり。睡眠中の異常行動に注意 - 代謝と併用注意
- 主にCYP3Aで代謝されます。
- 中程度以上のCYP3A阻害薬との併用時は減量を検討、強力阻害薬との併用は禁忌です。
- 一包化・粉砕
- 添付文書の無包装試験の結果から一包化は可能なようです。
- 粉砕に関しては現時点で公開資料が見当たらないので、わかり次第追記します。
結びに
クービビックは「自然な眠り」「持ち越しリスクの低さ」を武器に、新しい不眠症治療の選択肢になりそうですね。
現場では、患者さんの生活スタイルや服薬アドヒアランスを考慮しながら、うまく提案していきたいところです!
次回の薬学小ネタもお楽しみに!
リクエストもお待ちしています✨
免責事項
本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断や治療を推奨するものではありません。
実際の診療にあたっては、必ず医師や薬剤師等の専門家にご相談いただき、最新の添付文書等をご確認ください。
記事中で取り上げている薬剤情報は、信頼できる資料に基づいて正確に記載していますが、
漫画内の会話やエピソードはフィクションであり、実際の医療現場の状況とは異なる場合があります。
本記事の内容に基づく自己判断による治療や投薬等によって生じた損害について、当サイトは一切の責任を負いかねます。
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