



【今回の薬剤】リベルサス錠(セマグルチド)
今回は、GLP-1受容体作動薬リベルサス錠をテーマにした4コマ漫画をお届けしました。
漫画では「服用時の水の量」にフォーカスしましたが、ここからは薬剤師向けに、基本情報と実務で気をつけたいポイントを簡潔にご紹介します。
◆ 適応症
2型糖尿病
◆ 用法・用量
以下のように段階的に増量しながら使用します。
- 初期:1日1回3mgを空腹時に経口投与
- 4週間以上経過後:7mgへ増量可能
- さらに4週間以上経過後:必要に応じて最大14mgまで増量可能
※14mg錠は7mg×2錠で代用不可なので注意!
※1日のうち最初の食事の前、空腹の状態でコップ約半分の水とともに服用し、服用後少なくとも30分は飲食およびほかの薬剤の経口摂取を避けること。
◆ 禁忌
- 本剤の成分に対する過敏症の既往歴
- 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、1型糖尿病の患者
- 重症感染症、手術等の緊急の場合
◆ 漫画の補足:水の量は「目安」でOK
漫画では「コップ半分=120mL」がポイントとして描かれましたが、120mLぴったりでないと効果が出ないわけではありません。
目安としては「100〜120mL程度の水で服用」+「服用後30分は飲食しない」という点を押さえておけばOKです。
◆ 実務で注意したいその他のポイント
◎ 他薬との服用タイミングの競合
リベルサスは「空腹時服用+服用後30分間の飲食・他薬不可」というルールがあるため、
**ビスホスホネート系薬剤(例:ボナロン、アクトネル等)**との服用タイミングが競合しやすいです。
→ 患者指導では「どちらを優先するか」「30分空けるか」など、生活スタイルに合わせた説明が重要です。
◎ SNAC(サルカプロザートナトリウム)の吸収促進機構
セマグルチドは本来経口吸収されにくいペプチドですが、SNACの作用により胃内で一時的にpHを上昇させ、局所的に吸収しやすくしています。
→ 他の薬にも応用されていく可能性がある技術です。
◎ 使用感あるある:患者が感じる“面倒くささ”
「朝起きてから何も口にせず30分待つ」が意外とハードルになるケースもあります。
→ 漫画のように、ちょっと笑って覚えてもらえる工夫が服薬継続の後押しになることも!
次回の「1日1薬剤4コマ」もお楽しみに!
リクエストや取り上げてほしい薬剤があれば、お気軽にコメントくださいね。
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