ビレーズトリ14.4が発売!7.2との違いは?適応・名称変更・吸入指導を確認

1コマ目。ビレーズトリ14.4の発売と7.2への名称変更を見て、新人薬剤師が規格の違いを質問する。 おくすり小ネタ漫画

2026年10月15日、ビレーズトリ14.4エアロスフィア56吸入が発売されました。既存のビレーズトリには「7.2」を付ける販売名変更も案内されています。

「14.4は7.2の強い版?」と思いそうですが、まず確認したいのは適応です。7.2はCOPD、14.4は気管支喘息。 成分量と使う患者さんを、セットで整理しておきましょう。

4コマ

1コマ目。ビレーズトリ14.4の発売と7.2への名称変更を見て、新人薬剤師が規格の違いを質問する。
2コマ目。ICS・LABA・LAMAの3成分と、7.2と14.4ではグリコピロニウム量が異なることを説明。
3コマ目。7.2はCOPD、14.4は気管支喘息と、適応が異なることを確認。
4コマ目。3剤併用が必要な喘息患者への使用と、pMDIではゆっくり深く吸うことを説明。

漫画では名称を短く表記しています。正式な販売名や、名称変更後の製品が流通する時期は、以下のメーカー案内とあわせて確認してください。吸入器のイラストや色分けは説明用のイメージです。

基本情報

今回発売されたのは14.4の「56吸入」

メーカーの2026年10月の案内では、14.4の56吸入製剤は10月15日発売、120吸入製剤は発売準備中です。120吸入も薬価収載されていますが、収載と発売は別なので、発注時には区別して確認します。メーカー:新発売の案内

既存のCOPD用製剤は、取り違え防止のため、次のように販売名が変わります。

従来の販売名変更後の販売名
ビレーズトリエアロスフィア56吸入ビレーズトリ7.2エアロスフィア56吸入
ビレーズトリエアロスフィア120吸入ビレーズトリ7.2エアロスフィア120吸入

対象は56吸入だけでなく120吸入も含みます。2026年8月の名称変更案内では、新販売名の製品の流通開始時期と旧販売名の製品の販売終了時期は、追って案内するとされています。名称変更の承認と、手元の在庫が切り替わる時期は分けて考えます。メーカー:販売名変更のお知らせ

7.2と14.4の成分量・適応を比較

ビレーズトリは、吸入ステロイドのICS、長時間作用性抗コリン薬のLAMA、長時間作用性β2刺激薬のLABAを組み合わせた3剤配合吸入薬です。

次の成分量は、1吸入あたりの送達量です。

比較項目ビレーズトリ7.2ビレーズトリ14.4
ブデソニド(ICS)160μg160μg
グリコピロニウム(LAMA)7.2μg14.4μg
ホルモテロールフマル酸塩(LABA)4.8μg4.8μg
適応の対象疾患COPD(慢性気管支炎・肺気腫)気管支喘息
用法・用量上の対象年齢成人成人および12歳以上の小児
通常の吸入回数1回2吸入、1日2回1回2吸入、1日2回

両製剤とも、適応にはICS・LAMA・LABAの3剤併用が必要な場合という条件があります。COPDや喘息と診断されていれば、誰でも対象になるわけではありません。PMDA:医薬品リスク管理計画書「品目の概要」

販売名の「14.4」はgではなく、1吸入あたりのグリコピロニウム14.4μgに対応します。臭化物としては18.0μgです。7.2と14.4で変わるのはLAMA量で、ICS・LABAの配合量は同じです。メーカー:14.4承認取得の案内

覚え方

「数字はLAMA、選ぶときは適応」

7.2=COPD、14.4=喘息。数字を見たら、適応も確認。

14.4ではLAMA量が2倍になっていますが、全成分が2倍になっているわけではありません。「COPDの症状が強いから14.4」といった読み替えはできません。

「シムビコート+LAMA」は、成分を覚えるための整理

漫画の「シムビコートにLAMAを足した」という説明は、共通するブデソニド・ホルモテロールに、グリコピロニウムが加わるという成分の整理です。

ただし、日本のシムビコートタービュヘイラーは粉末を吸うDPI、ビレーズトリは薬液を噴霧するpMDIです。同じ吸入器でも、使い方をそのまま引き継げる薬でもありません。シムビコート電子添文・ビレーズトリ発売案内

監査ポイント

14.4は「喘息なら最初から使う薬」と覚えない

14.4の適応条件は、ICS・LAMA・LABAの併用が必要な気管支喘息です。薬局では、これまでの吸入薬とコントロール状況、今回の変更理由を確認したいところです。

承認の根拠となったKALOS・LOGOS試験は、ICS/LABAによる治療でもコントロール不良の12歳以上の喘息患者さんを対象にしています。漫画の「コントロール不良でLAMA追加が必要な患者さん向け」はこの位置づけを簡潔に表していますが、実際の適応判断は、承認された条件と個々の治療状況に沿って行います。メーカー:日本での承認発表

処方箋では、数字・年齢・吸入回数まで確認

  • 販売名:7.2か14.4か。規格が曖昧なら推測せず確認する。
  • 対象:COPD用か喘息用か。14.4では12歳以上であることも確認する。
  • 用法:両製剤とも通常は1回2吸入、1日2回。1回量と1日量を混同しない。
  • 切り替え:以前のICS/LABAやLAMAが意図せず残っていないか、お薬手帳・残薬も確認する。

「56吸入」「120吸入」は1本で使える吸入回数です。通常の1日4吸入で計算すると、それぞれ14日分・30日分に相当します。14.4の120吸入は、記事確認時点では未発売です。

閉塞隅角緑内障や前立腺肥大などによる排尿障害は禁忌に該当します。併用薬や腎・肝機能を含む注意事項も、最新の電子添文で確認します。ビレーズトリ電子添文

服薬指導

pMDIは、噴霧に合わせて「ゆっくり深く」

薬の名前が分かっていても、吸い方が合っていなければ十分に吸入できません。説明だけで終わらず、実際の操作を見せてもらうと確認しやすくなります。

  • キャップを外し、吸入口を確認してから、よく振る。
  • 吸入口に息を吹き込まないようにして、息を吐く。
  • 吸入口をくわえ、ゆっくり深く吸いながら、噴霧に合わせてボタンを押す。
  • 吸入後は無理のない範囲で息を止め、ゆっくり吐く。同じ操作を繰り返して合計2吸入する。
  • 最後にうがいをする。難しい場合は口の中をすすぐ。

これは吸入操作の要点です。初回の準備・空噴霧や手入れも含め、交付する製品に同封された使用説明書で指導します。メーカー:従来製剤の吸入説明シート

噴霧と吸い込みのタイミングが合わない場合は、スペーサーの使用を検討します。アクチュエーターは週1回洗浄し、缶を濡らさず、十分に乾かすことも確認します。メーカー:吸入手技・手入れのFAQ

発作時に追加で吸う薬ではない

「これは毎日続けて症状を管理する吸入薬です。苦しくなったときに追加で吸う薬は、別に確認しておきましょう」

ビレーズトリは長期管理薬であり、発作を速やかに軽減するための薬ではありません。シムビコートには条件付きで発作時の頓用が認められていますが、その使い方をビレーズトリに引き継がないようにします。ビレーズトリ電子添文・シムビコート電子添文

切り替え時は、発作時に使う薬と受診の目安まで共有しておくと、患者さんが迷いにくくなります。

その他かききれなかったこと

発売・名称変更は、日付を付けて確認する

今回のニュースは「14.4の56吸入が発売」「14.4の120吸入は発売準備中」「既存製剤には7.2への名称変更案内がある」の3つに分けると整理しやすくなります。

とくに名称変更は、処方箋・薬歴・卸の発注画面・実際の箱で表示が切り替わる時期がそろうとは限りません。見た目や名前の一部だけで判断せず、販売名全体と適応を確認したいですね。

参考資料・記事について

情報確認日:2026年10月15日。本文中の出典は、PMDA電子添文(2026年8月改訂第7版)、RMP、メーカーの承認・発売・名称変更案内、吸入指導資料です。

本記事は、個人が確認できた公開資料に基づく薬剤師向けの情報整理です。漫画は説明のためのフィクションで、製品の図は実物を正確に再現したものではありません。流通状況や製品情報は更新されるため、実際の調剤・服薬指導では最新の電子添文と、交付する製品の使用説明書をご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました